水と暮らし料理や飲み物をおいしくする、水の使い分け方

私たちは1日の水分を食事から約1リットル摂取しています。水にはカルシウムとマグネシウムの量が多い硬水と少ない軟水があります。料理をさらにおいしくする水の使い分け方をお教えします。

和食全般は、軟水が合います。和食の基本と言えばかつお節や昆布でとる「だし」ですが、どちらも軟水が適しています。ミネラル成分が含まれる硬水には旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸が溶け出しにくい上に、カルシウムやマグネシウムがアミノ酸と結合し、あくになってしまうといわれているためです。さらに、水をたっぷり使う煮物やスープは、軟水を使うと野菜への水分の浸透がよく、柔らかく仕上がり、硬水を使うと、カルシウムが食物繊維を硬くして、あくが出やすくなります。

逆に、あくを除きたい場合、煮くずれさせたくないときに硬水を使うときれいに仕上がります。また、西洋の肉を煮込む料理には硬水が向いています。カルシウムが肉を硬くする成分と結びついてあくとして出るので、硬めの肉を煮込んだり、牛肉でだしをとりスープストックを作ったりする場合は硬水が適しています。

硬水と軟水の差がはっきり表れるのが、ご飯です。日本人の食生活に欠かせないご飯を炊くには、日本の土地にある軟水が合います。軟水で米を研ぎ、軟水で炊き上げると、お米の細胞がきれいな網目構造になり、ふっくら粘り気のあるご飯が食べられます。硬水で炊くと、硬水に含まれるカルシウムが食物繊維を硬化しますので、炒飯やパエリア、ピラフなど、パラパラに仕上げたご飯料理には、中硬水が適しています。中国やスペインの水道水は、日本より硬度が高い場所が多く、どの国でも水に合った調理法が発達してきたことがわかります。

お茶やコーヒーなどの飲み物はどうでしょう?緑茶は硬度が高くなるにつれて旨味が抽出されにくく、低くなるにつれて香りが抽出されにくくなります。旨味を味わう日本茶は軟水が、香りを楽しむ中国茶や紅茶は硬水が最適です。

コーヒーには基本的には硬水が合います。硬水を使うと酸味が強く引き立ち、カルシウム成分が多いとコーヒーの苦味がやわらぎ、マグネシウム成分が多いと渋味や苦味がより強く出る傾向があります。また、焙煎が深くなると酸味が弱く苦味が強くなるため、焙煎の浅い豆には硬水を、深い豆にはより硬度が高めの水を使い分けることができます。ただし、豆を挽いたコーヒーだと、コーヒーの粉が活性炭のような役割になり、水の中のミネラルなどを吸着するため、それほど水の影響を受けにくいと考えられます。

参考文献
『万病を防ぐ「水」の飲み方・選び方』(講談社+α文庫)
著者:藤田紘一郎

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